【セルフケア事例】立ち仕事が原因の肩こり
今回の施術事例で紹介するのは、『肩こり』に悩むモデルさんです。
今回の事例のビフォーアフター
まずは、ビフォーアフターを紹介します。
セルフケアの前後で肩の上がり方が全然違いますね。
セルフケア事例の解説
それでは今回のセルフケアについて解説をしていきますね。まずは、こちらにセルフケアの全編動画を載せるので見てみてください。
今回のモデルさんの事前情報
今回のモデルさんの事前情報を紹介しますね。
肩こり
【 仕事 】
カフェの接客(立ち仕事)
【 普段行っているケア 】
特になし
このような事前情報になります。
セルフケア動画解説の目次
今回のセルフケアで特にフォーカスに解説をする目次を紹介します。
- 肩こりだけど原因は脚のパターン
- 生理学的な原因の解消で改善したらそれでセルフケア終了?
- 座った姿勢から見立てをしてみる
- 事故や手術痕が歪みの原因になる
今回はこの4つについて解説します。それではさっそく解説に入りますね。
1、肩こりだけど原因は脚のパターン
知識が少ないと「肩こりは肩を施術をする」って思ってしまいます。でも、これは間違っています。この考えをもっている治療家に施術をしてもらっても全然よくなりません。
筋肉を触るので一時的に血流が改善して可動域が改善する可能性はありますが、数時間したら元通りです。むしろ、この考えは身体の状態を悪くさせることが多々あります。
そもそもですが、指圧でグイグイ押すタイプの施術はあまりオススメしません。血液循環を促すためにポンプ的な役割ですることはありますが、基本的に「筋膜の癒着をはがす」という目的で使うことはほとんどありません。
「マッサージ好き」は危険
強いマッサージが好きな人の筋肉ってカチコチでめちゃくちゃ硬いです。押しても教えて痛みを感じない人もいます。あなたがマッサージ好きで強押し好きなら、すでにこのパターンになってるかも。。。
ちなみに、僕はもともとリラクゼーションのお店で働いていたので、筋肉カチコチの痛みを感じないお客さんをたくさん施術しました。僕もその時は知識もなかったので、ひたすら強押しをしてました。施術後は指がちぎれるくらい痛くなりました(笑)
強押しのマッサージの何がダメなのかをもう少し解説すると、強押しのマッサージって『打撲』を同じ状況をつくっています。
強押しをすればするほど、筋繊維が切れていきます。マッサージをうけて内出血をする人もいますよね。筋肉は損傷をうけると「次はこの衝撃に耐えれるように」って感じでそこの部分の筋肉が頑丈に再構築されます。
よく「一度骨折した部分は骨が頑丈になる」って聞いたことありませんか?これと同じ理論です。さっき使った「頑丈」って言葉は悪い意味での頑丈なので勘違いしないようにしてくださいね。
「立ち仕事」から見立て。脚にはほぼ歪みがある
セルフケアの動画をみてもらうと、症状の「肩こり」はタオル枕で改善しています。つまり、生理学的な歪みを解消すると症状が消えたわけです。
でも、より深く身体の歪みをみてみると脚により深い原因がある可能性がでてきました。でも、これは初めに「どんな仕事をしてる?」かを聞いたときに「カフェの接客(立ち仕事)」と答えていたのである程度予測はできていました。
こんな感じで検査で原因が特定できるものの、事前情報をしっかり頭に入れておくことで、自分も自信をもって施術できますし、お客さんにも納得して施術をうけてもらえます。
2、生理学的な原因の解消で改善したらそれでセルフケア終了?
次に、セルフケアを終了するタイミングについて解説します。今回の症状は「肩こり」です。検査では腕をあげる検査をしました。その後セルフケアをすすめると、タオル枕のセルフケアだけで腕の上がり方が劇的に改善していますね。
このような「生理学的な原因の歪みだけで可動域が大幅に改善」というのは、今回の事例に限らず割とよくあるケースです。
普通に考えれば、「可動域が改善したのでこれでセルフケアを終了」と考えても問題がないように感じます。もちろん、症状が改善したのでこれで終了しても問題はありません。
「痛くないから、歪みはない」は違う
でも、少し勘違いしてほしくないことがあります。それが「歪みと痛み」の関係です。
僕がお客さんと話ししていると「歪みがある=痛み」と勘違いしてる人がいるように感じます。つまり、自分の身体を「痛い」か「痛くない」かゼロイチの2択で判断しているように思えます。
しかし、実際はそのような関係ではありません。僕が考える「歪みと痛み(症状)」の関係性はこのような感じです。
歪みは身体にどんどん溜まっていきます。そして、どこかのタイミングで一気に症状として表面化します。なので、症状がなくなったからといって痛みがなくなったわけではありません。
症状は改善されたけど、浅い歪みしか改善できなければ、比較的短時間で歪みは出てきますし、より深い歪みまでアプローチして改善できれば、長期で症状がでてくることを防いで身体をいい状態にキープできます。
なので、結論としては「生理学的な歪みの解消で症状が改善しても、3回はセルフケアをループさせるのがいい」と思っています。
3、座った姿勢から見立てをしてみる
今回のモデルさんはパッと見た感じで脚がXO脚であることがわかります。座って脚をブラブラさせている状態だとより顕著にそれが出てきますね。
座っている画像に補助線を引いてみました。XO脚であるのがわかるでしょうか?
XO脚やX脚やO脚といった特徴のある見た目をしていると、そこから歪みが強い箇所が推測できます。
今回のXO脚の場合であれば、太ももは股関節近くの前もも、ふくらはぎであれば内側のふくらはぎに筋肉の癒着がしやすい場所になります。
これはあくまで座った姿勢からの見立てで僕が怪しいと思った場所になります。セルフケアの動画は先に公開していますが、セルフケアの結果を見て、この見立てをしたわけではないのです。
では、実際のセルフケア動画をみて、どの順番で陽性になっているか見ていきましょう。(時間ある人は動画に戻って確認してね)
一応、陽性になった順番だけここにまとめておきますね。
- 1周目のセルフケア → 左太ももが陽性
- 2周目のセルフケア → 右太ももが陽性
- 3周目のセルフケア → 右ふくらはぎが陽性
って結果になっています。この結果からみても見立ては割と合っている感じですね。
歪みの解消はちょっと甘い
見立てはだいたいあっていましたが、歪みの解消としてはまだ少し甘いような気がします。
こう思う根拠としては、歪みが解消すればXO脚が改善するからです。でも、実際は3周目のセルフケアをしてもXO脚は改善していないように思います。なので、XO脚が解消されていない状態として考えられるのは2点あります。
- 歪みの解消が甘い
- 歪みが複雑なので、もっとループが必要
この2点のどちらも可能性として考えることができます。むしろ、2点とも当てはまるかもしれませんね。一応、セルフケアの教科書では、3周はループさせてね。って言っていますが、できればそれ以上ループさせるのがいいですね。
4、事故や手術痕が歪みの原因になる
これはセルフケアの動画にはでてこないのですが、今回のモデルさんとセルフケアの撮影後に話をしていると過去を右のふくらはぎを打撲した経験がある。という話をされていました。
打撲や事故・手術痕といった一時的な強いダメージは筋膜の癒着にかなり影響します。この種類のダメージは普通に生活してるとなかなかダメージが消えないこともあります。
なので、事故のような強いダメージをうけてすぐは異常がないけど、数か月後に痛みを感じるようになったりというケースは割とあります。
今回のモデルさんのケースもふくらはぎの打撲が症状に影響しているのかをチェックするとやはり関係していました。打撲で起こった癒着が足首の硬さを作り出していました。
過去に事故や打撲・手術などをした経験がある人は、少なからずその部分に癒着があります。セルフケアの検査でそのポイントが陽性になることは100%に近いです。
なので、セルフケアをしてなかなかその部分が陽性にならなければ、もっとセルフケアをループさせないといけないという一つの目安にすることができます。